「グーグル携帯」は日本で受け入れられるか

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 かねてより噂になっていたグーグルの携帯電話事業参入が明らかになった。アップルの「iPhone」のように画期的なユーザーインターフェースの「GPhone」がお目見えするという説もあったが、フタを開けてみれば、34社の様々な企業が参加してオープンプラットフォームを開発する、という発表だった。

■アンドロイド導入で何が変わるのか

 「アンドロイド」と命名されたプラットフォームには、OS(基本ソフト)だけでなく、ミドルウエアやユーザーインターフェースまでが盛り込まれるという。アンドロイドをベースとした最初の端末は2008年後半にも商品化される予定だ。グーグルの携帯電話プラットフォーム部門のディレクターを務めるアンディ・ルービン氏は、「インターネットと携帯電話の橋渡し的な存在になる」とアンドロイドの存在意義を語る。

 34社が参加してオープンなプラットフォームができあがることで、端末メーカーやキャリアは自由にアンドロイドをカスタマイズして、新しい電話機を製品化することができる。GmailやGoogle Maps、検索エンジンなどを組み合わせた端末を「いまよりも約1割の開発費を削減」(ルービン氏)して、開発できるようになるという。

 いま、携帯電話は高機能化の路線を歩みながら、一方で低コスト化が求められている。グーグルとしてはオープンで誰もが参加しやすい環境を作ることで、この2つを両立するプラットフォームを実現したいようだ。

Androidプラットフォーム上のアプリケーション開発に携わる国際的なアライアンス「オープン ハンドセット アライアンス」のウェブサイト

 34 社が参加する連合体「オープン ハンドセットアライアンス(OHA)」には、グーグルを筆頭にT-モバイル、台湾・HTC、クアルコム、モトローラ、サムスン電子などの世界的企業が名を連ねている。日本からは、NTTドコモ、KDDIが参加している。グーグルが配布したプレスリリースでは、NTTドコモからは夏野剛執行役員、KDDIからは小野寺正社長がそれぞれOHAに対して歓迎のコメントを寄せている。

 しかし、両社に問い合わせるといずれも「具体的なことは何も決まっていない」という。確かに両社はすでにきっちりとしたプラットフォーム戦略を立てており、何も急いでアンドロイドを導入する理由など存在しない。

■既にプラットフォーム共通化に取り組んでいる日本の携帯

 NTTドコモの場合、MOAP(Mobilephone Oriented Application Platform)というソフトウエアプラットフォームを構築。OSとしては、シンビアンOSとリナックスを中心に端末開発を進めている。ソフトウエアプラットフォームを構築することでメーカーに共通のソフトウエアを提供し、短期間に低コストで端末を開発できるような環境を作り上げている。

 2つあるOSのうち、富士通、三菱電機、シャープ、ソニー・エリクソンはシンビアンOSを採用し、端末開発を行っている。シンビアンOSは、すでに日本国内でも64機種、累計出荷台数で3000万台を記録するほど普及している。さらに「世界の10台あるうち7台に搭載されている」(シンビアンのナイジェル・クリフォードCEO)というほどのシェアを持っている。

 シンビアンOSに続くのがリナックスで約15%、ブラックベリー端末で有名なリサーチ・イン・モーション(RIM)とマイクロソフトがそれぞれ5%程度のシェアとなっている。すでにシンビアンOSは世界的に成功を収めたプラットフォームといえる。

 一方、NTTドコモ陣営のなかで、リナックスを採用するのがNECとパナソニックモバイルコミュニケーションズだ。両社はプラットフォームを開発する合弁会社「エスティーモ」を昨年設立。リナックスをベースとしたOSやミドルウエアを開発している。現在、プラットフォームの開発が進んでおり、「本格的に端末に搭載されるのは2008年からになる」(パナソニックモバイルコミュニケーションズの脇治社長)という。

 エスティーモが開発するプラットフォームはNECとパナソニック向けだが、将来的には世界進出を狙っている。リナックス陣営は、モトローラ、NTTドコモ、NEC、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、サムスン、ボーダフォングループの6社でLiMO Foundationという団体も設立している。

 エスティーモとしては、いち早く優れたプラットフォームを開発し、LiMOに採用されることを狙っている。もし成功すれば、世界的に普及するプラットフォームに昇格できるからだ。

 一方のKDDIはKCP+(KDDI Common Platform)という名称で、東芝を中心としたプラットフォーム開発が佳境を迎えている。KDDIに端末を供給する三洋電機、京セラ、シャープ、カシオ計算機、日立製作所、パナソニックなどは、今後、KCP+のプラットフォームを使って端末を開発していく。

 つまり、NTTドコモとKDDI、そして端末を供給するメーカーのほとんどは、採用するプラットフォームを決めていて、すでに走り出しているのだ。グーグル側が「約1割の開発費削減が期待できる」といっても、各メーカーでは全精力を傾けて端末開発を手がけているだけに、約1割程度という微々たる削減では、アンドロイドに乗り換える気などは起こらないだろう。

■「グーグルOS」を日本で導入するメリットは

 今回、OHAに日本メーカーが1社も名を連ねていないというのは、グーグル側が日本メーカーに興味がなかったのか、それとも日本メーカー側が参加を見送ったのか理由はよくわからない。ただ、ある国内メーカー関係者は「メーカーとしてアンドロイドのメリットが見えない」と話す。別のメーカーの端末戦略担当者も「グーグルの戦略がわからず、判断しかねる。いろいろと調べる必要がある」という。いずれのメーカー関係者も「興味はあるが、様子見」というスタンスがほとんどだった。

 NTTドコモ、KDDIとも、どこまで本気でOHAに参加しているのかが正直、わからない。NTTドコモにすればMOAPを構築し、シンビアンOSとリナックスを主軸にしているし、KDDIにもKCP+がある。NTTドコモ、モトローラ、サムスン電子は、 Linux普及促進団体のLiMO Foundationを設立しつつも、ちゃっかりOHAのメンバーにもなっている。

 NTTドコモのようなキャリアにとって見れば、複数のプラットフォームに手をつけておき、競争関係が促進されればコストが安くなり、導入メリットが出てくる。モトローラやサムスン電子のようなメーカーの立場であれば、どのプラットフォームが主流になっても、生き残っているよう「保険」をかけておく必要がある。

 では、ソフトバンクモバイルはどうなのか。孫正義社長は、「ドコモもauも端末はつくっていない。電話機は端末メーカーが作るもの。消費者はどのメーカーにどのOSが入っているかは意識していない。むしろ、そのうえにあるアプリケーションやコンテンツが大事だ」という立場だ。

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ドコモが発売する台湾HTC製のWindows Mobile 搭載端末「HT1100」

 さらに「日本においてはヤフーの方が、検索サービスでも、グーグルの2倍のトラフィックがある。メールサービスでもヤフーメールの方がGmailよりも何倍もユーザーは多い」と語り、グーグルと距離を近づけるよりも、ソフトバンクグループとして、ヤフーを軸にサービスを強化する構えを見せた。

 もし、日本でアンドロイド搭載端末が出てくるとするならば、いまのWindows Mobileのように、一部のラインアップに加えるいうのが自然だろう。それも台湾・HTCなどが製造した端末を、日本に導入するというのが近道になりそうだ。すでに確立されたプラットフォームを持つNTTドコモやKDDIよりも、イー・モバイルなど特定のプラットフォームをまだ持っていないところのほうが相性が良いはずだ。

 もしかすると、常々オープンの重要性を説いているイー・モバイルの千本倖生会長は、すでにグーグルにコンタクトをとっているかもしれない。

■オープンなビジネスモデルの難しさ

 グーグルによるオープンプラットフォーム戦略は、魅力的なパートナーが集まり、華やかに見えるが、誰かが主導権を握って引っ張っていかなければ、場合によってはメンバーが抜けて失敗することだって考えられる。

 とはいうものの、グーグルばかりが先頭に立ってしまっては、グーグルの検索による広告ビジネスが優先されることになるだろう。そのとき、すでにビジネスモデルを構築しているキャリアは面白くないはずで、導入するキャリアがいなくなることも予想される。そうなってしまえば、オープンプラットフォームという理想郷はもろくも崩れることになる。

 アップルのiPhoneは自社で端末だけでなく、携帯電話向けのMac OSも開発し、一国一事業者に提供してビジネスを展開する、究極のクローズドモデルだ。一方のグーグルは、すべてオープンというモデルで世界のケータイビジネスに殴り込みをかけた。

 アンドロイドがシンビアンOSや他のリナックスを凌駕する存在になるかどうかは、もうしばらく様子を見て判断した方がよさそうだ。

引用元:ITPlus
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